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 温泉銭湯にこだわる理由

金を出せば温泉に享受出来る時代は続きません。

現在、深深度から掘削して提供している温泉施設は「温泉銭湯」に限らず、たくさんあってどんどん増えています。某マンショングループなどは、各部屋に温泉を導入した分譲住宅を作っていたりします。これは、温泉の価値が上がってきている、という意味では着眼点の良さに脱帽する限りであります。しかし、現在の「温泉法」に準拠させたくて、地球の深度追加による、地下水の温度の上昇を願って、ということでしかありません。確かに成分は地層の構造からすると「Na塩化物泉」「弱塩水」などに部類される濃厚で適温な温泉が湧出します。

しかし、通常関東平野のような巨大デルタ地帯では、せいぜい地下400mまでといった所から湧出する温泉のほうが(たとえ加温しても)、人間の皮膚の浸透圧から考えると有利なのです。

それは何故か? 基本的に深深度から汲み上げるのは海水を使っているのと大して差がありません。実は温泉法では、温度もしくは成分を満たした水が湧出するのであれば、例え地下の構造で海水と繋がっていたとしても「温泉」と認められてしまう※のです。確かに、海水に近い成分であれば急性の皮膚疾患(やけどトカ)には効果覿面です。でも、よく考えて見てください。身体の浸透圧を考えると、塩分が多くなれば「人間の浅漬け」が出来上がってしまうのです。しかも、1000mを超えるような水脈の分断された源泉の場合は「化石海水」と呼ばれ、枯渇したらそれで終わりになるのです。

ところが、比較的浅いところから湧出される温泉は、地下水層が何らかの理由で分断されない限りは、そう簡単には枯渇しません。これは地形によって生み出されたメカニズムに因ります。例えば400m位までの浅い場所からの汲み上げであれば、デルタ地帯特有の地下水の供給がまかなわれるからです。河川が地上を流れているのは、私たちはいくらでも目視できます。しかしデルタ地帯には、地下300〜400mまでの範囲でその10倍以上もの地下水脈が張り巡らされています。つまり、関東平野であれは、北部〜西部に降った雨や雪がずっと平野の下を流れ、水深300〜400mのところで海に排出されているのです。これは、関東に限らず、殆どの平野(特に富山県の黒部川の水深300m地帯の湧水が有名)で確認されています。つまり、海水のような超硬水ではなく、軟水で肌にやさしい温泉を汲み上げ出来ることが可能だと言う事です。

はっきり言います。深深度から汲み上げた地下水と、比較的低深度から汲み上げた温泉は「別物」です。起因も生成時期も全く違います。当然、効能も違います。更に、温泉を掘り当てるためのボーリングの深さもまるで違うので、コストの面から考えても別物です。

もし、温泉の効能、もしくは肌触りを考えてみれば、成分・コストうんぬん言うよりも自分に適した温泉がどれかは明確になってきます。

はっきりいって「温泉だったら何でも効能があって快適」という輩は莫迦です。

 

※もし海水がそのまま地表に湧水したとすれば、温泉法の「1000ml中1g以上」の成分が溶けているとゆう条件を満たします(海水の塩類は1000ml中約3.5g)。

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