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 源泉かけ流し VS 加温・循環・消毒

これは結構むつかしい問題です。

まず、東京の温泉銭湯では源泉の水風呂、もしくはカランが全て温泉以外は「源泉かけ流し」は不可能です。

東京の温泉銭湯は、100〜400mからの汲み上げを行なっています。そうすると、地球は深くなるにつれて温度が上昇するという性質から、16〜20℃の温泉水しか出てきません。そうすれば当然「加温」をしなくては寒くて入れません。「加温で成分が変わってしまうのでは?」という方がきっといらっしゃるでしょうが、そんなことは殆どありません。例えばガス質(炭酸ガスや硫化水素)は、加温すると、蒸発・分離してしまいますが、「東京の温泉の有効成分は50℃程度では変質しない」と言い張れます。例えば有機質のフミン酸なども、たんぱく質の平均的な変質温度60℃以上でないと可変しないので、成分に関してはご安心下さい。

次は「循環」。1日の汲み上げ量&汲み上げポンプは都道府県によって決められています。それは、温泉の過剰汲み上げによる地盤沈下や温泉資源の枯渇を防ぐために必要なことなのです。また、源泉が低温なので、逐次強力に加温していたのではエネルギーの無駄遣いです。正直いって、銭湯のお湯の加温はかなりの出費になるのです。ですから、循環せざるを得ないのです。ところで、温泉というと湯の華が析出するということをご存知の方が多いと思われますが、東京でも例外ではありません。湯船に浮遊物が漂う、ということもあります。そういう時は循環の際にろ過を行なうのが見た目的にも廃水処理にも有利なのです。

そして「消毒」。これは避けて通れない道です。黒湯を行なってる浴場は(保健所の通達を無視して)出来るだけ少量の消毒で済ませるようにしているところが多いです。本来、42℃以上であれば大抵の雑菌はお陀仏してくれたのですが、平成に入ってからは、「42℃以上の浴槽である」という必要がなくなってしまったので、もうこうなったら塩素頼みになってしまいます。そこで、この湯温を目安にして消毒具合を知ることが出来るようになったという皮肉な結果になっています。まず42℃以上だったら、消毒の塩素(次亜塩素酸Na)の揮発も多くなり、殺菌も望めるということから、そういうお湯は(熱いという方は多いですが)より天然温泉そのものを活用できていると考えられます。

ところで、「源泉かけ流し」は果たして本当に安全でしょうか? 大抵、レジオネラはこの場合に発生しますし、湯温がぬるくなって殺菌効果が望めない、という例もあるのです。と、考えるとブームのように「源泉かけ流し」が唄われていますが、余程酸性が強くて殺菌する必要もない、というような例を除けば・・・やっぱり、ちょっと疑念が湧いてしまいますよね・・・。

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